MT IGLOO

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前書き

本キャンペーンの趣旨



三月。
ついにミリティアとリオコルノ騎士団は戦端を開いた。
当時、単にMTを有するだけの脆弱な集団と思われていたリオコルノ軍に対し、
物量で勝るファイフ・ミリティアは、遅くとも半年で反乱軍を鎮圧できる、と発表した。

しかし……現実は、そう甘くない。

リオコルノ軍は、単独で戦局を覆せる性能を秘めた、
俗に騎士級と呼称される新型機の量産に成功。
ターエファイト王国を一日で占領せしめた機体に対し、
ファイフの主力機MT−156「アルマ」は余りに脆弱過ぎ、
その性能差は物量で埋めても、尚余る。
ファイフ上層部は次期主力兵装の開発を、
強行的に推し進めていく。

そして、その同時進行される計画のひとつ。
過去の試験で欠陥品の烙印を押されたMT。
XMT−388へと名を変えた「ヴェネーレ」の投入であった。

老朽駆逐艦ムスペルヘイムに集う、寄せ集めの乗員たち。
栄光を失った女神は、果たして戦場で何を見るのか。
 
異界戦記カオスフレア外伝
MT IGLOO
第一話「斜陽の女神は暁に消えた」
 
――夢放つ遠き空に、幻影が奔る。



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四月。
戦線は膠着し、泥沼と化す一方、
ミリティアは未だ主力MTの不足に苦しんでいた。
アルマと言えど騎士級の前には木っ端と同じ。
濁流を防ぐための防塁でしかない。

対するは機甲猟兵。

モナドライダーという最低野郎。
その血を啜る、戦場の蛭。
ただ一人で戦いに向かう男は、
MTを見捨てたのか、MTに見捨てられたのか。
戦場を彷徨い、
その最底辺へと行き着いた男。

眠りを忘れた猟兵にとって、
遠くで弾ける鉄のドラムこそが子守唄。
 
異界戦記カオスフレア外伝
MT IGLOO
第二話「戦場の蛭は雨音に眠った」
 
――機甲猟兵、危険に向かうが本能か。


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五月。
ファイフ・ミリティアの敵はビアン・リオルコノだけではない。
東から攻め立てるグレズのメタビースト軍団。
圧倒的物量でもって進軍してくるグレズに対し、
ファイフもまたMTアルマを戦線に投入し続けていた。
王国上層部は、この戦線を覆すための決戦兵器を欲していた。
そう、単独で戦局を左右する騎士級MTのような兵器を。
かねてより、ネフィリムによって開発されていたMAフッケバインが完成した。
それは早速、技術試験部隊へと送られデータを取ることに成る。
 
かつて、自由に羽ばたいた空。
その鴉にとって、今や遠き世界であった。
新たな翼を手に入れた鴉は、今再び羽ばたく。
片方の翼は失ったまま、もう片方の翼だけで。
 
異界戦記カオスフレア外伝
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第三話「隻羽の鴉は明空に還った」
 
――山々聳える天空に、鴉が啼く。


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六月。
ファイフとリオコルノの戦いは熾烈を極め、泥沼の様相を呈していた。
試験艦ムスペルヘイムもいつしか前線に駆り出され、
実戦さながらの過酷な試験に従事していた。

新たな任務は、ネフィリムより提供された試作MTのテスト。
優れた整備性と量産性。
MTへの適性のない者でも扱え、しかも騎士級を超える性能。
既に模擬戦では従来機を越える性能を見せつけ、あとは実戦テストを残すのみだ。

パイロットとしてやって来たのは、かつてエースとして名を馳せた女ウォーバード。
彼女と、新型機「デルゲット」なら必ずや華々しい成果を上げてくれる
・・・筈だった。

順調に進む実践テスト。
影に見え隠れする彼女の栄光とその挫折。
そして運命のイタズラは、彼女から空を奪った宿敵の再来を告げ、
愛するものも翼も失なった空の英雄は今大地を駆ける。
 
異界戦記カオスフレア外伝
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第四話「紅の姫は風と共に去った」

――明日は明日の、風が吹く


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七月。
ファイフとリオコルノの戦いは熾烈を極め、
泥沼の様相を呈していた。
膠着した戦況を打開すべく、ファイフ・ミリティア参謀本部は
ついにオペレーション”ブラウ”を計画。
そして、ミリティア技術試験部隊――ムスペルヘイムは
戦略級MTの試験を名目に、陽動作戦を命じられる。

暁の空の下、真紅の三騎士とその手勢に対し
巨神は熾烈で孤独な戦いを開始する。

それはまるで出来の悪い御伽噺。
戦いには善悪などなく
故にただ、強者のみが生き残る。
 
異界戦記カオスフレア外伝
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第伍話「恩讐の巨神は赤光に溺れた」
 
――巨神がもたらすのは地獄か、それともまほろばか。


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八月。
ついに開始される「オペレーション・ブラウ」。
両軍の命運を賭した最終決戦の最中、
試験戦艦ムスペルへイムもまた、最後の戦いへと身を投じる。

迫り来る戦争の恐怖。
悪夢の如き絶望が、彼らを押し潰していく。
果たしてこの戦いの意味とは?


―――そして、全てを終わらせるべく、白い機神が駆けていく。


彼らは生き残ることができるのか。

異界戦記カオスフレア外伝
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最終話「鋼鉄の輩は盟約を遂げた」

――試験運用艦ムスペルヘイム、任務ヲ完遂セリ。



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